研究報告

Multifunctional organic dyes: anion-sensing and light-harvesting properties of curcumin boron complexes”
M. Tsuchikawa, A. Takao, T. Funaki, H. Sugihara, and K. Ono
RSC Advances 2017, 7, 36612-36616. Link

モバイル端末に搭載するデバイスとして有機物質を使った太陽電池が注目されており、色素増感太陽電池はその中の一つである.これは,その名のように色素が太陽光を吸収して電流へ変換することにより作動する.これをモバイル端末として身に着ける技術(ウェアラブルテクノロジー)へ応用するには,人間や環境にとってやさしい材料の開発が重要になる.天然色素はこの候補であるが,単独使用では十分な性能は得られていない.本研究ではウコンなどに含まれるクルクミンに着目し,これをホウ素で機能化した新規色素を開発した.その結果,この色素は天然色素を大幅に超える太陽電池性能を示した.
一方,クルクミンはポリフェノール類の一種であるため,フェノール部分が外的刺激を受けることで色変化を示した.例えば,純水を添加しても色変化は起こらないが,ミネラルウオーターでは含有イオン量により色変化(赤→青)が観測された.
これらの色素機能の組み合わせは,医療用端末などへの応用を期待させる.また,ホウ素による機能化は天然色素の材料応用にとって有効な手法になることが明らかになった.