研究室ニュース

小野研究室メンバーの修論発表会が下記の日程で開催されました。
今年のプログラムは無機分野と有機分野の間に入ったため、
例年とは異なる緊張感がありました。

副査の迫先生から鋭い指摘にタジタジする場面もありましたが、
3人ともそれぞれの個性を活かした発表だったと思います。

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2020年度生命・応用化学専攻(生命・物質化学分野)修士論文発表会
2/17(水)5212(103)教室

ZHENG Shaokun
【ビス(ホウ素ケトイミナート)誘導体を用いた発光性分子集合体の研究】
廣嶋 孝治
【有機太陽電池アクセプタ分子への応用を目指した新規ホウ素錯体の開発】
森 義貴
【ジオキサボリン誘導体の分子集合体特性と理論的考察】
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2021年度の研究室配属者が決定しました。
優先配属者2名を含む3名です。

これにより、小野研メンバーは大学院生(M1)3名を含めて計6名です。
2021年度はM2不在の年になりますが、頼もしいメンバーの加入で心強いです。
少数精鋭の小野研の研究動向にもぜひ注目してください!

2021年度研究室配属者
荒谷優登君・小島杏介君・小林寛法君

小野研在籍者2名を含む3名が合格しました。
1名は愛知工業大学の学生さんです。

在籍者2名はコロナ禍で試験勉強の時間ができたためか、
無事に合格しました。
正直かなり心配していましたが、取り越し苦労に終わりました・・・。

また、愛知工業大学の学生さんも合格し、来年度から楽しみです。

小野研究室の論文がChemistry – An Asian Journal誌のFront Coverに選ばれました。

研究論文「Synthesis and Photovoltaic Properties of Boron β-Ketoiminate Dyes Forming A Linear Donor-π-Acceptor Structure」Link

色素増感太陽電池の受光層は、「ひまわり畑」のイメージとして見ることができます。酸化チタン電極を覆う色素増感剤がひまわりであり、それが太陽光を吸収します。Front Coverに採用された絵はその様子を描写しています。本論文では、直線形のβ-ケトイミネートホウ素色素を合成して色素増感太陽電池に使用しました。この外部量子効率(IPCE)測定で最大変換効率が80%に達し、屈曲した構造をもつβ-ジケトネートホウ素色素の場合よりも効率が大幅に改善しました。本研究は有機ホウ素化合物による新たな色素増感剤を提案するものであり、今後、実用化研究への発展が期待されます。なお、本研究は産業技術総合研究所の舩木敬博士との共同研究によるものです。

A sunflower field is often seen as an image of the active layer of dye‐sensitized solar cells (DSCs). Dye sensitizers that cover titanium oxide electrodes absorb sunlight. In this study, linear dyes containing boron β‐ketoiminate were synthesized and applied to DSCs. Their maximum incident photon‐to‐current conversion efficiencies reached 80% and were higher than those of DSCs using boron β‐diketonate dyes with a bent molecular structure. The photovoltaic characteristics revealed the effective process of light absorption–excitation–electron injection. More information can be found in the Full Paper by Katsuhiko Ono et al.

新B4として小嶋洋平君福岡泰地君が小野研メンバーに加わりました。
新型コロナ禍での参加になりましたが、それにめげず頑張って欲しいです。
今後の活躍を期待しています!

日本化学会第100春季年会 (2020)は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のため2020年2月26日に中止が決定されました。また、本年会での発表は2020年3月5日(木)の予稿集の発行をもって成立することになりました。当研究室からは、下記2件の発表を予定していました。

日本化学会第100春季年会 (2020)
東京理科大野田キャンパス

2020年3月22日(日)12:30-14:00
1PB-049 鄭 少坤、小野 克彦
ボロンβ-ケトイミネート化合物を用いた分子集合体の作製と物性

2020年3月23日(月)10:50-11:0
2C3-12 小野 克彦、佐倉 裕規、弓岡 史奈
直線形ドナー-π-アクセプタ構造を与えるボロンβ-ケトイミネート色素の合成と太陽電池特性

2019年11月25–26日に 第3回材料科学フロンティア研究院国際シンポジウムが名古屋工業大学で開催されました。当研究室からは、松岡拓哉君、森義貴君、武田昌之君がポスター発表を行いました。

3nd FRIMS International Symposium on Frontier Materials

ポスターセッション
2019年11月25日(月)16:05-17:35 4号館ホール

Takuya Matsuoka
Synthesis, photoluminescence properties, and crystal structures of 2,5-diaryl-N-Boc-pyrroles

Yoshitaka Mori
Solid-state electronic properties based on assembly of 4,4’-bis[(6,6’-diphenyl)-2,2-difluoro-1,3,2-dioxaborine]

Masayuki Takeda
Synthetic method for 6,13-dihydroxyquinacridone via difluoroboron chelation to quinacridonequinone

2019年度小野研究室ゼミ旅行 ~箱根湯本~

「今年度テーマ(企画書より)」
2019年度の研究活動が始動してから約 10カ月が経とうとしている。就職活動や大学院入試が落ち着き、ようやくメンバー全員が揃って研究に勤しめるようになった。安全第一に研究室を運営することを再確認するとともに、自らの身体を使って感じ、そこにある事象を考え、自身の研究のインスピレーションを高めて行きたい。また、ゼミ旅行を通 じてメンバー間の親睦を深め、これからの研究活動を一体感をもつて取り組むことが今後のテーマとなる。そこで、本レクリエーションを企画し、実施するものである。

開催日:2019年10月10-11日
写真はフォレストアドベンチャー箱根にて

箱根を満喫し、安全に行って来れたので、とても良い旅行になりました。
(なるほど・・・小野)

第30回基礎有機化学討論会が2019年9月25-27日に大阪国際交流センターで開催されました。小野研究室から1件の口頭発表を行いました。

2019年9月25日(水)
1B06 キナクリドンキノンへのホウ素キレート化による6,13‐ジヒドロキシキナクリドンの合成
(名工大院工) ○小野克彦・森谷晃一朗・島田涼平
(内容)Chemistry—An Asian Journal誌に発表されたキナクリドン誘導体の研究開発に関する発表を行いました。質疑応答では、キンヒドロン錯体の作製について質問があり、新たな展開へのヒントをもらいました。数々の魅力的な講演の中で、発表者は冷や汗をかきながらの発表でしたが、久しぶりにかなり興奮しました。とても楽しかったです。

月刊「化学」「2019年の化学:最新のトピックス」に有機ホウ素錯体に関する記事が掲載されました。タイトルは「ホウ素元素をいかに利用するか?~有機ホウ素錯体の研究動向」です。その内容は4つのトピックスからなっており、最後のトピックが小野研で行った研究成果になります。

・分子集合を利用した固体発光材料の開発
・有機発光ダイオードにおける近赤外発光材料の開発
・アニオン捕捉による有機反応触媒の開発
・ホウ素錯体を介した物質変換反応の開発

4つのトピックスがコンパクトに2ページにまとまっているため、学生の皆さんにも読みやすい内容になっていると思います。また、これをきっかけに他の記事もぜひ読んでみてはいかがでしょう。
「化学」は本学の図書館で開架されていないため、小野研究室で雑誌を入手しました。学習の参考資料として是非ご活用ください。

<発表雑誌>
雑誌名 :月刊「化学」
タイトル:ホウ素元素をいかに利用するか?~有機ホウ素錯体の研究動向

<問い合わせ先>
小野克彦研究室(1号館516B, 519B)